昨年度の「がんばっペーパー」開発補助事業において、新聞購読者を対象にしたアンケート調査を行いました。その結果のうち、今回は新聞および新聞販売店についてのものを掲載します。次回は「がんばっペーパー」ついての回答を掲載予定です。
【購読者アンケートの結果】
調査は群馬県内のおもにがんばっペーパー取り扱い店区域を中心に行いました。
Ⅰ.購読者の新聞、広告、新聞販売店のサービスに対する意見
1.購読者の年齢
20代 30代 40代 50代 60代 70 代 以上 合計
4 13 16 22 33 15 103
4% 13% 16% 21% 32% 15% 100%
購読者を世代別で見てみると60代がもっとも多く、以下50代、40代、70代以上という順である。アンケートの取り方にもよるが、若い世代での新聞購読者が少ない。世間で言われるように若い世代の「新聞離れ」が進んでいることがうかがえる結果となっている。
2.購読紙と購読理由
(1)調査地域での購読紙(複数回答)
朝日 読売 毎日 産経 日本経済 東京 上毛 その他
9 12 6 2 12 1 78 5
8% 11% 6% 2% 11% 1% 74% 5%
調査地域の該当店での取扱新聞銘柄に偏りがあるため、あくまでも今回の調査結果としての数字となっている。全国的な動向は日本新聞協会などの調査を参考にしていただきたい。今回の調査で最もよく購読されている新聞は、圧倒的に上毛新聞である。以下、読売、朝日、毎日の順になっている。
(2)購読理由(複数回答)
購読者が購読する際の選択理由としてあげるのは、「長年読み親しんでいるから」が最も多く、以下「地域情報が豊富だから」、「紙面・記事内容が好きだから」という順になっている。
購読紙と購読理由の統計結果をクロスした場合、読売、毎日などの全国紙の購読者は「紙面・記事内容が好き」、「長年読み親しんでいる」という理由が多い。
これに対して、上毛新聞購読者の場合、83%が「地域情報が豊富」ということを購読理由にあげる。日常の生活の中で地元の行事やイベントなどを詳しく知るメリットに購読理由があることがうかがえる。
紙面・記事内容が好きだから 31 29%
地域情報が豊富だから 68 64%
長年読み親しんでいるから 55 52%
折り込み広告が多いから 4 4%
販売店のサービスが気に入っているから 5 5%
特に理由はない 3 3%
その他 2 2%
上毛新聞購読者の購読理由(複数回答)
紙面・記事内容が好きだから 14 18%
地域情報が豊富だから 65 83%
長年読み親しんでいるから 32 54%
折り込み広告が多いから 3 4%
販売店のサービスが気に入っているから 2 3%
特に理由はない 2 3%
その他 2 3%
3.新聞を読む頻度
購読者のほとんど(86%)の人は、新聞を毎日読むと答えている。この調査では新聞を読むことが日課になっている人がほとんどである。
4.新聞以外の情報源
テレビ ラジオ インターネット 雑誌・週刊誌 その他
93 28 37 11 0
88% 26% 35% 10% 0%
購読者は新聞以外のどのようなメディアからニュースを得ているのか。最も多いのは「テレビ」(88%)、次いで「インターネット」(35%)、「ラジオ」(26%)、の順になっている。
テレビ、ラジオの場合は、何か別のことをしながらでもニュースを知ることができる利点があげられよう。加えて、テレビはビジュアルで情報量が多く、見ているだけで多くの情報が得られるという利点があげられよう。
今回の調査では、インターネットをあげる購読者は35%と比較的多くみられる。今後はさらにインターネットの利用度が高くなることが予想される。
5.広告を見る頻度
新聞に折り込まれているチラシなどの広告はどの程度、見られているのか。購読者の6割強の人がほぼ毎日みていると回答している。
これを女性購読者についてみると、77%の女性購読者はほぼ毎日見ていると回答している。女性にとっては日常生活を維持していく上で欠かせない情報源として必要なのであろう。
女性購読者が広告をみる頻度
ほぼ毎日見る タマに見る ほとんど見ない 合計
44 9 4 57
77% 16% 7% 100%
6.広告をよく見る曜日
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日
15 13 10 10 28 49 36
15% 13% 10% 10% 27% 48% 35%
広告をよく見る曜日として、購読者があげるのは土曜日(48%)、日曜日(35%)、金曜日(27%)、以下月曜日、火曜日、水曜日、木曜日の順となっている。特に目立つのは土曜日、日曜日、金曜日の割合の高さである。
金曜日から日曜日にかけて広告をみる頻度が高い理由は、週末のスーパーのイベントや安売り情報を確かめ、食品の買い出し等、日常生活の必須情報源となっているのではないか。
7.チラシの必要性
チラシが「必要」とする購読者は70%を超え、ほとんどの購読者はチラシを必需品と考えている。
「広告を見る頻度」の項目でもふれたが、チラシは日常生活を維持していく上で欠かせない情報源の一つとなっていることがうかがえる。
8.新聞販売店のサービスについて
(1)販売店の対応は親切か…コミュニケーションがあるほど好印象
「そう思う」(43%) 、「まあそう思う」(35%)、「どちらとも言えない」(16%)、「あまりそう思わない」(6%)、「まったくそう思わない」(0%)となっている。
購読者の感想にも「だいたい良い」、「自宅から近いので何かと便宜を図ってもらっている」、「電話でも、親切に対応して頂いている」と親切に感じている購読者は多い。購読者とのコミュニケーションがある販売店ほど、購読者の販売店に対する印象は親切と感じられているのではないか。
(2)新聞販売店の従業員の態度はよいか…良好という評価
「そう思う」(40%)、「まあそう思う」(38%)、「どちらとも言えない」、(17%)「あまりそう思わない」(3%)、「まったくそう思わない」(2%)という順になっている。
購読者の中には「配達、集金でも全体的によいと思う」と良好な印象がある一方で、「配達に使われるバイクが整備不足か?(ブレーキ音等)騒音でおこされる事がたびたびある」というクレームもある。
(3)配達される場所や時間は正確、適切か…分かれる評価
「そう思う」(54%)、「まあそう思う」(36%)、「あまりそう思わない」(6%)、「どちらとも言えない」(5%)、「まったくそう思わない」(0%)という順になっている。
購読者の感想は二つに分かれている。まず「毎日確実に配達されている方々に感謝しています」、「毎朝ポストを開ければ入っている。寒い冬にご苦労様だと思う」、「暑い日にも寒い日にもいつもお疲れ様です」という良好な感想をもっている購読者は多い。
その一方で、「お正月に元旦用の箱を用意したが、ポストに無理やり詰め込んであってがっかりした」、「雨が降っているときにビニール袋に入ってないときがある。ポストがぬれると新聞がぬれるのでビニール袋に入れてほしい」という感想を抱いている購読者もいる。
(4)購読特典などのサービスが充実しているか…既存購読者から不満の声
そう思う まあそう思う どちらとも言えない あまりそう思わない まったくそう思わない
28 39 19 10 9
27% 37% 18% 10% 9%
「まあそう思う」(39%)、「そう思う」(27%)、「どちらとも言えない」(18%)、「あまりそう思わない」(10%)、「まったくそう思わない」(9%)という順になっており、これまでの回答とは異なって不満感が目立つ。
この結果からは、継続購読者の中にかなり不満を感じている購読者がいることがうかがえる。
たとえば「余り良いとは思われない。1年に1度のサービス品もないのはどうか?前橋方面は競争が激しいのでサービスもあるかと思うが、当地域は販売店が決まっているため、サービス精神が欠けていると思われる」、「新聞を契約するときに(景品の)品物が少なすぎる」、「集金の必要がないG-NETの引き落としに対して割引等を考慮してほしい」、「口座引き落としなので販売店との接触はない。古紙回収、雨天時のビニール封入、購読特典などのサービスが一切ない販売店だと認識している」といった厳しい意見もみられる。
新規顧客の開拓ばかりに目が行きがちだが、既存の購読者に対するサービスを充実していく必要もあるのではないか。
既存購読者へのサービスの充実をはかるという点で「がんばッペーパー」には期待がもてるのではないか。
(5)新聞販売店に対するイメージ…存在感のない新聞販売店
多くの購読者にとって新聞販売店の存在は積極的な存在と映っていない。たとえば、「販売店に行く用はほとんどないので、(イメージについては)特にない。何か楽しい催しごとでもあればうれしいですが!」という意見にみられるように、積極的に情報発信をしている存在ではないと感じている。
また、「新聞を配達するだけだと思っていました。名前に販売店とありますが、(新聞を)売っているのは駅のイメージが強くありました。昼間は人がいないかと思っていた時期もありました」という意見にみられるように、単に新聞を配達するところというイメージが強く、地域の中で存在感がないものと映っている。
こうした状況に対して、購読者の「東北支援などに取り組んでいるとは思わなかったので、これからもがんばってほしい」という意見にみられるように、購読者ばかりでなく、地域全体に対して新聞販売店としての存在意義が高まるような情報発信がいろいろな場面で必要ではないか。
以上、次回に続く・・・